どうも大卒ニートの天塚右京@tikuwakiraiです
大阪人なら絶対一度は釘を刺されたことがある
「あいりんには行くな」と
そんなこと言われたら生きたくなるのが人間の性だ!
今回はその実態を、探ってみたぞ!
あいりん観光一日目
あいりん地区は阪急新今宮町を降りたところにある
大阪市西成区の北部に位置する日本一のスラム街
実は新世界から10分もしないところにあるのだ!
この町を一言で説明するならば「灰色の町」とでもいったらいいのだろうか
陰鬱でどんよりとした閉塞感は、どうやら天気だけのせいではないらしい
町をとぼとぼ歩く人々の中には、若いひとは全く見当たらない
齢60~70にもなる日雇い労働者とすれ違う
この爺さんたちがまた、明らかに小柄なのだ
今回の滞在で、身長160cm以上ある爺さんは一人もいなかった
ここに来る前にも何冊かあいりんをテーマにした本を手に取ってみたが
極貧の家庭に生まれ、学もなければ手に職もない人がなけなしのお金で買った片道切符で、最後に行き着く場所…
到着の時点で、夕暮れだったのドヤを探すことに
ちなみにドヤとは
日雇い労働者が多く住む街のこと。「ドヤ」とは「宿(ヤド)」の逆さことばであり、旅館業法に基づく簡易宿所が多く立ち並んでいることに起因する
のこと
ドヤを選ぶ基準として
- 宿泊費
- wifiの有無
- シャワーの有無
このあたりを抑えておくと良い
宿泊費に関してはあいりん最安値で600円
ビジネスホテルだと1800円
↑なんかはあいりんでは3つ星!
中には一週間4000円のパック宿泊を提供しているドヤもあった
何にせよ破格の安さだ
シャワーがないと銭湯に行くことになるので、
テレビつき900円のドヤにすることに
受付にいたのは中年の穏やかなおじさん
最初にデポジット1000円でおもちゃみたいな鍵を渡される
シャンプーは別売り一パック50円で受け付けているとのこと
早速あいりんの洗礼を受けた気がした
この写真を見て欲しい
そう、エレベーターのボタンが奇数階しかない!
廊下は、こんな感じで割と普通
そして、一泊900円の破格料金で泊まれる部屋がココ!ムショみたいだ…
ちなみにテレビなしだと700円
コンセントはあるのでスマホの充電には事欠かない
足を伸ばしてもあまりあるスペースがあってドヤというワードから彷彿とさせるイメージより、断然過ごしやすかった
何なら家にもこういった缶詰になれる部屋があってもいいくらいだ
ちなみに写真にある白のかごに靴を入れる形式になっている
なんとなしに窓を空けてみると、網状の鉄の柵があった
これだと何かあったとき脱出は図れそうにない
どんなドヤにも必ず電気ポッドがある
実際カップ麺は値段対効果的にも腹が膨れるのか日雇い労働者に人気があった
廊下の概観その2
部屋にゴミ箱はないのでごみは廊下のゴミ箱へ
シャワーを浴びようと一回におりると、ウシジマくんに出てきそうなおっさんに出くわした
おっさん「…なにつったっとんねん!?」
俺「……シャワー浴びようかと思いまして」
あごでそこやと示される
夕方の受付のおじさんとは違ったが、管理人とのこと
緊張続きの一日だったのでシャワーで疲れを洗い流そうと服を脱ぐとある張り紙が…
が、シャワー室そのものは、新設されたのか、真新しくて快適だった
あいりん観光二日目
なんやかんやで目覚めのいい朝を向かえ、さっそく本格的なあいりん観光を楽しむことに
やはり4人に1人は生活保護を受けていることだけあって福祉向けの売り文句をいたるところに見つけた
スラム街とは言っても、実はちゃっかり餃子の王将やファミマといったチェーン店も参入している
自販機もあるから、国際基準で言えば全然スラムといえないだろう
写真は宮本むなじ
24時間営業でwifiも使い放題なので、wifiなしのドヤ組で3g回線が切羽詰ったらここに駆け込もう!
隣では、ガテン系のにーちゃんが大衆キャバクラで豪遊した話をデカい話でしていた
これ、実物で見たかった!
あいりん地区の代名詞的存在でもある激安自販機!
酒もジュースも飲まない性質だけど、安さに魅了されてコーヒー飲料を買ってみた
味は他所のと変わらない(当たり前か)
なんかすごい怪しいバイトも見つけた
電話してみたところ、厳かな口ぶりのおばさんが出てきて、話によると月額会員として3万円を払う必要があるのだとか…
創業者も逮捕された、スーパー玉出にも言ってみた!
光輝くライトアップが派手な大阪人気質を象徴している
値段も安い!
チラシを撮ったところオバチャンに怒られてしまった
オバチャン「ライバル店が値下げ競争で様子見しにくるんや!」とのこと
紛らわしいことはしないように、そう肝に銘じたと
写真が少な目なのは、あいりんというの町は、とにかくカメラに敏感で人目につかないように写真を撮らないといけない
要塞のような職安センターものぞきに行った
休職案内もあってざっと見たところ、専ら土木系の仕事
ファミマにも言ってみたが、レジはみんな中国人の子たち
あいりんのコンビニは、とにかくお酒コーナーが充実していて陳列にも地域性が反映されていた
新今宮駅を左に出て1分歩いたところに異彩を放つ教会が
キリスト教のペンテコステ派の韓国教会とのことで、定期的に説教をしているらしく
ものの興味で足を踏み入れてみた
会場は日雇いのじーさんばかりで大体会場全体で60人ぐらい
北朝鮮を脱北したという20歳ぐらいの女の子の壮絶な体験談を、韓国人の女性が翻訳するというスタイル
ほどなく30分ぐらいして、写真の牧師さんが来た
YOUTUBEで見るような聖句を引用する説教でなく、とにかく声が張っていて、アグレッシブな印象すらある力強い演説でも聞いているような錯覚に陥る説教だった
終盤にさしかかって、
「イエス様の存在を奇跡を信じるひとは前に来てください」との一言
壇上の前にぞろぞろと集まったのは10人ちょっとくらい
なにやらおどろおどろしい祈りが5分ほど続いたのだった
最後は教会らしく、10の1献金ということで教会の人が入金用の袋をもって、説教の聴講者を順々に回っていった
自分は10円だけ寄進したが、ここは日雇い労働者の町だ
そんな余裕のある人間はいないとばかりにガンシカを決め通していた
説教がおわり最後に配られたのは食パン2枚とパック詰めの若菜ごはん
1.5時間に渡る説教を黙って聞いていたじいさんたちは、これ目当てだったのか!
これじゃわびしすぎるので、旅のシメに焼肉を食べることに
対面式で、お母さんって感じのほがらかなおばちゃんが切り盛りしていた
うん、OC!
あいりんでヤバいやつに絡まれた!
異色の観光となったが、ちょっとこの短い2日間に身の危険を感じた体験もした
2人ほどからまれたのである
ファミマで立ち往生しつつwifiコ○キしてたら、目の血走ったおじさんに声をかけられた
話によると、実家のある名古屋への片道の旅費をくれないかということだった
免許証と顔を撮影してもらってもかまいません
お金は実家に着き次第返します、と
「…私自身は私人ですので、すぐそこの公人の警察官の方に相談してみてはいかがですか?」
何分会って初対面の人に無心されたことなんてなかったのでとっさの一言だった
「では、お金は貸していただけないんですね」
そうボソッと言うとおじさんはとぼとぼと去っていった
「おいにーちゃん、あんなんかまったらあかんで!」
一部始終を見ていたらしいファミマから出てきた若いお兄さんに忠告を受けた
「あれヤ○やっとんのや」
…やはりこの町は常識が通用しない
この町でからまれたくなかったら、とにかくぼーっと突っ立つのはNG
もひとつヒヤっとした体験が…
ちょっと小腹が空いたので何か買いに行こうと、深夜にピャッとドヤから出てコンビニに向かったてる最中
「おい」と野太い声が聞こえ振り返ってみると、身長180は優に超えるガタイのいい男がつったっていた
男「おい、タバコくれ」
「タバコは吸わないんですよ^^;」
すると他に当たってくれた…
深夜に見知らぬガタイのいい男に声をかけられる、それもあいりんという町で
カツアゲか何かかと思った
深夜はあいりん地区内を徘徊するな
観光した感想
一泊二日でこんなにも濃い経験ができるのは、あいりん地区だけ!
女の子にはおすすめしないが、一度行ってみて欲しい
一度や二度では味わいきれない魅力があの町には溢れている
でも、夜は危険だよ!あんまりお金なさそうなカッコで行こうね!

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