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【自殺】WHOが調査した希死念慮がある人への自殺予防手引き

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自殺と精神障害
自殺はさまざまな要因から生じる問題で
あると今では考えられている。すなわち、
生物・遺伝・心理・社会・環境要因が複雑
に関与して生じる。自殺した人の 40~60%
は、自殺する以前の1ヶ月間に医師のもと
を受診していたことを研究の結果が示して
いる。その多くは、精神科医ではなく、一
般医のもとを受診している。精神科治療の
体制が十分に整備されていない国では、自
殺の危険の高い人が一般医を受診する可能
性はさらに高いと考えられる。
したがって、自殺の危険が高い患者を評
価し、適切に対処し、自殺を予防するため
に、医師はきわめて重要な役割を果たして
いる。



気分障害
気分障害のすべてのタイプが自殺と関連
している。すなわち、ICD-10 の F31~F3

に該当する双極性障害、うつ病、反復性う
つ病、慢性の気分障害(例:気分循環症、
気分変調症)などである(1)。したがって、
診断も下されずに治療もされていないうつ
病では自殺の危険はきわめて高い。うつ病
の有病率は一般人口においても高いのだが、
多くの人はそれを病気と認識していない。
一般医のもとを受診している患者の 30%
がうつ病に罹患していると推定されている。
うつ病患者の約 60%はまず精神科ではな
い一般医のもとを受診している。身体疾患
と同様に心理的問題についても取り組んで
いかなければならないというのは、医師に
とってきわめて負担が大きい。さらに、身
体的な症状だけを訴える患者が多いことも
問題を複雑にしている。






うつ病でよく現れる症状は以下のような
ものがある。
• 疲れやすい
• 悲しい
• 注意が集中できない
• 不安
• 焦燥感
• 睡眠障害
• 身体のさまざまな部分の疼痛
このような症状に気づいたら、医師はう
つ病が存在する可能性や自殺の危険の評価
をすべきである。以下のような症状は、う
つ病で自殺の危険が増す臨床的な特徴であ
る(2)。
• 頑固な不眠
• 自己管理を怠る
• 重症のうつ病(とくに精神病性うつ病)
• 物忘れ
• 焦燥感
• パニック発作


完全自殺マニュアル

完全自殺マニュアル

  • 作者:鶴見 済
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 1993/07/01
  • メディア: 単行本


うつ病患者で以下のような特徴が認めら
れる場合には自殺の危険が高まる(3) 。
• 25 歳以下の男性2
• 発病初期
• アルコール乱用
• 双極性障害のうつ病相
• 混合期
• 精神病性躁病



うつ病は思春期でも老年期でも自殺の重
要な危険因子であるが、とくに晩発性のう
つ病は危険が高い。
うつ病の治療が最近発展してきたことは、
プライマリケアの場における自殺予防にと
って大いに関連がある。うつ病を診断し治
療することを一般医に教育したところ、ス
ウェーデンでは自殺率を減らすことができ
た(4)。抗うつ薬がうつ病患者の自殺率を減
らしたという疫学データもある。十分な治
療量の薬物を数ヶ月投与し続けるべきであ
る。高齢者においては、回復後も2年間治
療を続ける必要があるだろう。炭酸リチウ
ムによる維持療法を受けている患者では自
殺の危険が、より低いことが明らかになっ
ている(5)。



アルコール依存症
自殺者は生前にしばしばアルコール依存
症(アルコールの乱用および依存)に罹患
していたことが明らかになっている。とく
に若年者にこの傾向が顕著である。自殺と
アルコール依存症の関係については、生
物・心理・社会的な説明が可能である。以
下の要因がアルコール依存症患者の自殺の
危険を高めている。
• アルコール依存症の若年発症
• 長年の飲酒歴
• 重症の乱用
• 抑うつ気分
• 身体的な不健康
• 職場での業績不振
• アルコール依存症の家族歴
• 重要な対人関係が最近破綻した




統合失調症
統合失調症患者の最大の死因は自殺であ
る。統合失調症に関連した自殺の危険因子
には以下のようなものがある(6)。
• 若年で無職の男性
• 最近、再燃した
• 病状の悪化に対する不安。とくに知的
な能力の高い人。
• 猜疑心や妄想などの陽性症状。
• 抑うつ症状。
以下のような時期に自殺率はとくに高ま
る。
• 病初期。
• 再燃初期。
• 回復初期。
統合失調症が発病して長年が経過すると
自殺の危険は徐々に下がっていく3








自殺:社会・人口動態的要因
自殺は個人的な行為であるのだが、ある
種の社会・人口動態的要因が自殺に関連し
ている社会もある。
性別
大多数の国では既遂自殺者は男性に多い
が、その男女比は国によって異なる。中国
は唯一例外的な国で、農村部では女性の自
殺者数が多く、都市部でも自殺数は男女ほ
ぼ同数である。
年齢
高齢者(65 歳以上)と若年者(15 歳~30
歳)で自殺率のピークを認める5
。中年男性
の自殺率が上昇しているという最近のデー
タもある。
婚姻
離婚した人、配偶者を亡くした人、結婚
していない人は、結婚している人に比べて
自殺の危険が高い。結婚は男性にとって自
殺防止の保護要因であるが、女性では必ず
しもそうではないようだ。別居や単身生活
も自殺の危険を高かめる。
職業
獣医、薬剤師、歯科医、農民、医師など、
高い自殺率を示す職業がある。この点につ
いて確固たる説明はないが、致死性の高い
方法を手に入れやすい、職業上の重圧、社
会的孤立、経済的な問題などが挙げられて
いる。
失業
失業率と自殺率の間に強い相関関係があ
るが、両者の関係はきわめて複雑である。
失業の結果として、貧困、社会的孤立、家
庭内の問題、絶望感などが生じ、自殺と関
連してくる。精神障害に罹患している人は、
精神的な問題を抱えていない人に比べると
職を失う可能性も高いだろう。また、最近
失業したことと、長期にわたって失業状態
にあることに関しても配慮しなければなら
ない。前者のほうが自殺の危険は高い。




自殺行動に及ぶ危険の高い患者をどのよう
に発見するか
自殺に関連する以下のようないくつかの
個人的かつ社会人口動態的要因がある。
• 精神障害(うつ病、アルコール依存症、
人格障害)
• 身体疾患(末期で、激痛を伴い、進行
性の疾患:たとえば、AIDS)
• 自殺未遂歴
• 自殺、アルコール依存症、他の精神障
害の家族歴
• 離婚、死別、単身生活者
• 社会的な孤立
• 失業、定年退職
• 幼児期の死別体験
患者がすでに精神科治療を受けている場
合は、以下のような時にとくに自殺の危険
が高まる。
• 最近、退院したばかりである。
• 以前にも自殺を図ったことがある。




さらに、以下のような最近経験したスト
レッサーも自殺の危険に関連している。
• 別居
• 死別
• 家庭の問題
• 転職、経済的な問題
• 強い絆のあった人からの拒絶
• 裁判で有罪になる恐れやそれに伴う恥
辱感。







どのように質問すべきか
希死念慮について質問することはけっし
て容易ではない。徐々にその話題に入って
いくほうがよい。以下のような質問をして
いくとよいだろう。
z 「悲しいのですか? 何もできないと
感じているのですか?」
z 「すっかり絶望してしまったのです
か?」
z 「毎日が耐え切れないと感じているの
ですか?」
z 「人生が重荷になってしまったと感じ
ているのですか?」
z 「生きていても仕方ないと感じている
のですか?」
z 「自殺したいと感じているのです
か?」



さらにどのような質問をするか
自殺したいという気持ちを患者が抱いて
いるという事実だけを確認しただけですべ
てが終わるわけではない。希死念慮がどれ
くらい強くて、自殺の危険がどれくらい高
いかを確認するためにさらに質問していか
なければならない。患者がすでに自殺の計
画を立てていて、その方法まで手に入れて
いるかどうかを知ることは重要である。銃
で自殺するつもりだといっても、銃を手に
入れる方法がなければ、自殺の危険は比較
的低い。しかし、計画をすでに立てていて、
具体的な方法(たとえば、薬)を手に入れ
ている場合、あるいはその方法がすぐに手
に入るような場合は、自殺の危険は高い。
押し付けるような感じや強制的な感じを相
手に抱かせないようにして、さらに詳しく
質問していくことが重要である。暖かく相
手を思いやるような態度で、医師が患者に
共感を抱いていることを示しながら質問す
る。以下のような質問が含まれるべきだろ
う。
z 「人生を終わらせようとする計画をす
でに立ててしまったのですか?」
z 「どのようにそれを具体的に実行する
計画がありますか?」
z 「薬、銃、殺虫剤などを手に入れてい
ますか?」
z 「いつその計画を実行に移すつもりで
すか?」



自殺の危険が高い患者への対処法
患者が感情的に混乱しているものの、希
死念慮がまだ漠然としたものであるときに
は、真に心配している医師に、患者がその
思考や感情を打ち明ける機会を与えられる
だけで十分なことがある。しかし、患者が
周囲から十分なサポートを得られない場合
には、その後も慎重にフォローアップして
いかなければならない。どのような問題を
抱えていようとも、自殺の危険が高い患者
は無力感、絶望感、失望感に圧倒されてい
るのだ。患者は以下のような心理状態に置
かれている。
1. 両価性:ほとんどの人は自殺すること
に対して最後まで複雑な相反する感情
を抱いている。生きたいという願望と
死にたいという願望の間を激しく揺れ
動いている。もしも、医師が患者の生
の願望を強めることができれば、自殺
の危険は和らいでいく。
2. 衝動性:自殺は衝動的な行為である。
他の衝動と同様に、自殺衝動も一時的
なものである。もしも衝動的な行為に
及びそうなときに適切なサポートが与
えられれば、自殺願望は軽減するだろ
う。
3. 頑固さ:自殺の危険が高まると、思考・
感情・行為が非常に幅の狭いものにな
っていき、二者択一的な思考法に陥っ
ていく。他の可能な選択肢を探ってい
き、たとえそれが理想的なものでない
にしても、他にも解決策があることを
医師は患者に優しく示す必要がある。







うつ病
うつ病が既遂自殺と最も関連している精
神科診断である。誰でも時には気分が滅入
ったり、悲しくなったり、孤独に感じたり、
不安定になることはあるが、このような感
情は普通はしばらくするとおさまるもので
ある。しかし、こういった感情が長引いて、
日常生活に支障を来すようになると、単に
気分がふさぐといった状態を超えて、うつ
病と呼ばれる状態になる。うつ病の一般的
な症状としては以下のようなものがある。
z ほとんど毎日、悲しく感じる。
z 通常の活動に興味を失う。
z ダイエットをしていないのに体重が減
少する(稀に、体重が増加する)。
z 不眠、早朝覚醒(稀に、過剰な睡眠)。
z いつも疲れやすく感じる。
z 無価値感、自責感、絶望感。
z いつもイライラして落ち着きがない。
z 注意が集中できない。決断が下せない。
物忘れ。
z 死や自殺を繰り返し考える。


どうしてうつ病が見逃されてしまうのか
うつ病に対して各種の治療法があるにも
かかわらず、しばしばうつ病が適切に診断
されていないのは次のようないくつかの理
由がある。
z 「性格の弱さ」を現しているように感
じて、うつ状態にあることを認めるの
を恥ずかしいと思う傾向がある。
z うつ病に伴う感情をこれまでにも部分
的には経験したことがあるため、それ
を病気であると認識できない。
z 他の身体疾患に罹患している場合、う
つ病の診断はさらに難しくなる。
z うつ病の患者は、さまざまな漠然とし
た痛みなどの症状を訴えることがある。

自殺 誤解

1. 自殺を口にする人は本当は自殺しない。
2. 自殺の危険の高い人の死の意志は確実
に固まっている。
3. 自殺は何の前触れもなく生じる。
4. いったん危機的状況がおさまって症状
が改善すると、二度と自殺の危機は起き
ない。
5. すべての自殺が予防できるわけではな
い。
6. 一度でも自殺の危険が高くなった人は
いつでも自殺の危険に陥る可能性があ
る。
1. 自殺した人のほとんどはその意図を前
もってはっきりと打ち明けている。
2. 大多数の人は死にたいと言う気持ちと
生きていたいという気持ちの間を揺れ
動いている。
3. 自殺の危険の高い人はしばしば死にた
いというサインを表わしている
4. いったん改善してエネルギーが戻って
きて、絶望感を行動に移すことができる
ような時期にしばしば自殺が生じる。
5. これは事実である。しかし、大多数は予
防が可能である。
6. 希死念慮は再び生じるかもしれないが
決して永遠に続くわけではないし、二度
とそのような状態にならない人もいる。






自殺の危険の高い人をどのようにして発
見するか
現在や過去の以下のような行動からそ
のサインを発見する。
1. 引きこもりがちな行動を認め、家族や
友人と良好な関係を持てない。
2. 精神障害。
3. アルコール依存症。
4. 不安障害、パニック障害。
5. 不安・焦燥感、厭世的態度、抑うつ感、
無力感などに現れる性格変化。
6. 自殺未遂歴。
7. 食事や睡眠パターンの変化。
8. 自己嫌悪、自責感、無価値感、恥辱感。
9. 最近、重大な喪失体験があった。例:
死、離婚、別居など。
10. 自殺の家族歴。
11. 個人的な事柄を突然整理しようとし
たり、遺言状を用意する。
12. 孤独感、無力感、絶望感。
13. 遺書。
14. 身体疾患。
15. 死や自殺をしばしば話題にする。






完全自殺マニュアル

完全自殺マニュアル

  • 作者:鶴見 済
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 1993/07/01
  • メディア: 単行本





https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/tebiki.pdf

完全自殺マニュアル

完全自殺マニュアル

  • 作者:鶴見 済
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 1993/07/01
  • メディア: 単行本